『音楽嗜好症(ミュージコフィリア)-脳神経科医と音楽に憑かれた人々』オリヴァー サックス
概要
脳神経科医オリヴァー・サックスによる本格的医学エッセイ。
ある日突然、望んでもいないのに、音楽に憑かれたり突き放されたりする人々の症例や治療を紹介。
- 落雷にあって瀕死状態から回復したら作曲とピアノ演奏の虜に
- 特定の音楽を聴くと癲癇の発作
- 記憶が数秒しか保持できないのにもかかわらず、演奏や歌うことができる
- 好きだった音楽が騒音にしか聞こえなくなる
また、音楽と脳の関係についての考察。
- プロの音楽家の脳は、見ればわかる
- 絶対音感があるのに音楽の才能がない
- 音楽を色として認識できる人がいる
- 音楽サヴァン
等々。
音楽が病の元凶であったり、治療であったり、呪いだったり、恩寵だったり。
できれば恩恵だけ受けたいものよね。
著者
オリバー・サックス/Oliver Sacks (1933 – 2015)
オフィシャルサイト :https://www.oliversacks.com/
音楽と自意識
その音楽が好きかどうか認識してるのは自意識だと思ってるし、なぜ好きなのかと言えばそりゃま、快楽を与えてくれるからってことなんだけど、その先。
ピッチがちょうどいいとかリズムがたぎるとかメロディが楽しいとかリフが煽情的とか構成にヤラレたとか、後付けの理由や技術的にハメられているってこともあるのはわかってるけど、根本的になぜそこがハマるのかはわからない。
この本を読めばそれがわかる、というのはウソ。
音楽こそが脳のバグかも。狂っちゃうよね、いろいろ。